英語と180度違うドイツ語の過去形
「ドイツ語の時制で最も複雑なのは、過去形です。ドイツ人は過去を大切にする国民だからね。」
とは、わたしがドイツの大学でドイツ語学を始めたばかりの頃に教授に言われた言葉でした。
半分冗談で言っていますが、ドイツ語においては確かに過去形の形は簡単ではありません。
助動詞や受身形が混ざっていたりすると複雑怪奇になります。
過去形の時制は間違えやすいので、テスト問題に好んで使われるテーマです。
その分朗報ですが、ドイツ語の現在形と未来形は比較的単純で、現在進行形等もありません。
ちなみに、ドイツ語の現在完了形は英語とは違い、過去に終了した状態だけを表します。
英語の現在完了では、今現在までの継続を表すこともありますね。
ここが英語とドイツ語の現在完了で違う点だと言うことを忘れないでください。
時制でポイントの過去形を見てみましょう。
過去形(Prateritum/Imperfekt)は、物語などの描写でよく使われ、日常の会話ではほとんど使われません。
Haben、Sein、konnenでは過去形が用いられることがよくあります。
しかし、基本的には現在完了形(Perfekt)が日常の会話で用いられる過去形だと思ってください。
厳密な決まりはありませんが、日常の会話で過去形を使うのはかなり硬く聞こえます。
また、逆に新聞等の記事には圧倒的に過去形が多く見られます。
過去形の例文
ここで、必ず過去形を使う例外の一文です。
これだけ頭に入れておけば、その他は現在完了を迷い無く使っていいのだと始めは考えてよろしいかと思います。
Ich war gestern bei dir.
過去形を使われることが頻繁なSeinの例です。
Ich bin gestern bei dir gewesen.と言っても通じるかもしれませんが、くどいです。
Wie war noch mal dein Name?
君の名は何であったのか、ではなく名前は何だったっけ(忘れちゃったんだけど)というニュアンスが含まれます。
決まっている言い方です。
Sie stammte aus Japan.
動詞のstammen ausは過去形を必ずとります。この形の動詞はいくつかあって、ある決まった前置詞を伴う動詞です。
Sie hat aus Japan gestammt.文法的には正しいですが、wie bitte? と聞かれるでしょう。